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No.006 インテリア専門学校の不況(04/29,1999) 永田まさゆき
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このところ建築業界が不況のせいか、インテリア関連の専門学校に生徒が集まらないようです。一時、雨後の筍のように林立した同様の学校が、きっと同じようなのかなと思います。
同じ専門学校でも医療とか福祉とかというジャンルは活況だそうです。なんのこっちゃ、みたいなゲームデザインとかミュージシャン・コースとかも。学校の専門コースを細分化し募集するのが生徒集めのひとつのテクニックで、そうしないと集まらない、でも出口(求職)はお寒いかぎりなんてことも聞こえてきます。親の余裕が持ちこたえられるうちは、こういった失業予備軍の受け皿が維持可能ですが、もうそんなオメデタイことは続きそうになさそうに感じます。
インテリア・デザイン(コーディネート)をやろう、やればできるよ、というのがウケたのは、きっとバブルのたまものではなかったか?と感じます。イイ暮らしがしたい、ひいてはイイものがほしい、というような人々のニーズはかなり仕組まれた現象だと思われます。
暮らしの本質的なところに触ることを避けて、ふんわりオブラートのように暮らしを飾って満足する、というような観点で情報が溢れ消費されたといってもいいのではないでしょうか? もしかしたら「田舎暮らし」傾向の本が売れ続けるのも、そういうことの延長線上にあるのかもしれません。あえて言えばですけれど。
役人が「インテリア・コーディネーター」「インテリア・プランナー」などの資格制度を近年こしらえました。しかしそれは住環境の基本的な整備を指向するということでは必ずしもないようです。
すなわち、新しい業態を作りだして「みなさん儲けましょう」というようなところで関連業界からもてはやされるという、逆のニーズのほうが強くあった----そうであったとしても不思議ではなかったかと思います。力関係において明らかに、ユーザーの本質的な利益よりも業界の目先の利益が勝りすぎているという事態が見えます。
だから、スマートな新しいオシゴトっていうようなところに魅かれて飛び込んでいった人たち(特に女性達)は、今、「こんなはずじゃなかった…」と思っているかもしれません。また、なんのことやらわからないままリストラされ続ける人たちも多いのではないでしょうか?
ぼくはこういう制度や業態ができたことを否定するものではありません。なぜなら、こういう新しいシゴトが新しい世界を切り開けるかも、という根源的なインスピレーションに支えられて、まじめに活動し始めた人たちを知っているからです。彼らにとってこういう状況はたいへんきびしいものがあります。
若い人を前にした授業(私は非常勤の講師をしています)で、「デザインはちょっと横に置いといて、暮らしというものはどういうものか? それを豊かなものにするには、どんなことが目標になるのか?」というような“地味な”話をしても、受講生は相当に眠そうです。
若いみなさんはずいぶんおしゃれだし、とりあえず手が動くように仕向けることろまでは学校でやれる。でも、学校が「行く手の設定」ということを土俵にしないと、彼らはしっかりとした相撲はとれないでしょうね。■
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| 永田まさゆき(ながた・まさゆき) |
■プロフィール
1952年生まれ、札幌市在住。建築士。「アトリエオン」主宰、自称建築「屋」。山羊・羊の類いが街を占拠し、街が森に化けることを願う“メエメエ教”信者。
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