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No.023 リビングは東側? (07/10,1999) 美里学
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新しい住宅地を平地で開発することは難しい時代になってきている。平地での宅地開発はされつくされ、郊外の山を削ったりしなければ宅地の確保ができなくなってきていることも要因のひとつであろう。このような事情から最近の住宅地には、道路には勾配がつき、敷地との高低差がつく。敷地も雛壇(おひなさんを飾る台のような段々形状)のように造成されることはやもうえないことなのだ。
さて、住宅を計画するとき、敷地条件が上記のような場合には、特に外まわりの計画を初期段階でおさえておかなければ大失敗につながるおそれがある。
本来、造成計画の段階で道路との高低差や道路勾配を考慮して、だいたいの駐車スペースの位置は事前に決められているものである。一般的には、方位と関係なく宅地と道路の高低差が小さい側に計画されていることが多い。これは、駐車スペースの土の処分や、玄関までのアプローチの高低差処理でコストをおさえられるメリットもあるからである。
ところで、住宅のプランは一番こだわりのある部屋をどこに、どう配置するかから決められることが多いのだが、リビングにおいては、特に要望がない場合や分譲住宅などでは、東側にメインのリビング・ダイニングを設けるという考えがけっこう根付いている(朝日の当たるリビングやダイニング) 。
しかし造成の段階で、東側に車庫が計画されている場合はどうするのか(西側に高低差があり東側に高低差がない場合)。この場合に意見が分かれることがしばしばあるのだ。
というのは、リビングには室内での居住性という要望に加えて、「リビング前の広い庭」という外まわりの要望も必ずあるからである。「朝日の当たるリビング」か「リビング前の広い庭」か、究極の選択とすればみなさんならどうする?(大きな敷地の場合はどちらでもたいして問題にならないが・・・)
私なら、リビングを西に配置してその前に広く庭を確保する。いくら東側にリビングを設けても、建物の前や横に駐車スペースがあるなら、後でカーポートを建てると日当たりも眺めもあったものではない。西側のリビングに西日が入るかといえば角地でない限り必ずしもそんなに違和感はないはずである。それよりもリビングの前にカーポートの屋根がある方がうっとうしくてたまらない。
しかし、このことに気づく人は意外と少なく、建物の間取りがまとまり契約した後「さあ、エクステリアでも考えよう」となったときに気付く。いや、ここで気づけばまだいいほうで、エクステリアの工事が建物と別途で、入居した後にカーポートをつけたりすると開放的だったリビングが途端にうっとうしくなってしまったという結果になってしまうわけである。
家づくりには、これが良くてこれが悪いという一般論は禁物である。また、エクステリアを考慮しないプランニングも後悔の元となる。家づくりは、その人その場所に一番いいかたちを総合的に判断し提案していかなければならないのである。■
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