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No.024 公共事業と建設業界 (07/18,1999) 美里学
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通産省の外郭団体の産業研究所が各産業の技術革新をテーマにまとめた報告書の中から、建設業界に関する部分が『朝日新聞』(6月9日付)で紹介されていた。報告書は「技術革新等に関する調査研究」で建設業の他、情報・通信など17分野について、大企業への聞き取り調査などをもとにまとめられたものだ。
ここでは、日本の建設業界を「技術力については欧米が優れているが、安くて耐久性の高いものをつくるのは日本が圧倒的に強い」としている。しかし、「経営力は自由競争にもまれている欧米が強い」と指摘している。その理由として「経済性を無視した公共事業」をあげており、公共事業が建設業の健全な成長に悪影響を与えている点を強調して
いる。
公共事業を日本企業の弱さの政策的要因と位置づけしているのであるが、その主な理由として、以下のようなことをあげている。
1.議員や首長が受・発注に介入するなど政策的色彩が強い、2.新技術を開発しても公共事業に採用されるのは各企業に普及した後になるため開発した企業が利益をあげれれない…など
私も役所工事など公共物件に携わった経験はあるが、図面は必要以上に細かく書き込みさせられ、普通では見えないところまで色を塗らされたり仕上げをさせられる。最後の検査は、見えないところまで鏡を使ってチェックするなど大変無駄な作業が多い。
その割にデザイン性については、いい加減なところがあり、だいたいの形、良く似た色であればOKなところもあるのだ。特に使用材料においては、メーカー指定ができず、「○○メーカー同等品」としかうたえない。それ故、これまでに何度納得のいかない公共事業をさせられたことか。
特に道路や歩道のコンクリート二次製品においては、私の指定通りのメーカー品をほとんど使ってもらえたことがない。元請けもできるだけ利益を上げたいがゆえに、メーカー指定を避け、施工業者(下請けや孫請)が請負い金額に合う材料で「この中から選んでくれ」という仕様選定の仕方が多い。設計として、なんともやりがいのない話である。
公団や公社の分譲住宅なども例外ではない。色々注文をつけているわりには、できたものに対しての総合評価はずいぶんいい加減なところがある。総合評価というよりも、指定されている設備機器や備品がついているかどうかの方が重要なのであろう。
今回のような報告書を公的機関がまとめて発表したことは大変評価できるが、いくら報告書で指摘したところで、景気回復を公共事業に頼ろうとしている状況下では、自由競争にもまれ、革新的技術開発が進み、安くて耐久性の高いものをつくれる日本の建設業界など当分考えられない。公共事業には、長い間使われることになる社会資本の整備というストックの側面と、景気刺激というフローの側面があるが、前者が基本であることはここで繰り返すまでもないだろう。■
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