★HABITAT:住まいにひとこと:上げるべきか、下げるべきか★

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No.026 上げるべきか、下げるべきか
    〜レバー式蛇口争論(07/29,1999) 美里学

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 6月11日付『朝日新聞』に「レバー式蛇口争論」と題した、水道の蛇口の問題が取り上げられた。実はこの件については以前から取り上げたいと思っていたので新聞記事に基づいて紹介してみたい。

 この争論の内容を簡単に説明すると----レバー式蛇口が普及しはじめた十数年前からの「上下問題」と業界関係者から呼ばれる問題が出てきた。レバー式蛇口を下げて水を出す【下げ吐水型】と、上げて水を出す【上げ吐水型】ではどちらがいいか、という争論である。

 しかし、この争論も、阪神大震災がきっかけで決着がついていたということは、私も最近知った(以下は新聞記事からの抜粋だが、記事では企業名をあげて紹介しているのでここでも同様にさせていただく)。

 給排水栓で5割近いシェアを誇る最大手のTOTOは「下に落ちる水の方向を考えると下げると出る方が自然」と【下げ吐水型】を採用しこれが長い間多数派を占めてきた。 一方、INAXは「グローバルスタンダード(国際標準)の時代に合っている」と、欧米で圧倒的に多い【上げ吐水型】を採用、両者でシェアを競い合ってきた。

 双方ゆずらずの状態が続き、同じビル内で【下げ吐水型】と【上げ吐水型】の両方が混在したり、住宅やマンションでも台所と洗面所で異なっていたりして、使い勝手の悪さが以前からも指摘されていた。

 そこに、阪神大震災が起きて争論の流れが大きく変わった。業界団体の日本バルブ工業会の事務局長は、「下げ吐水型だと、激しい揺れや、揺れて落ちてきた物がレバーを下げてしまい、水が出っぱなしになることが起こり得る。だから、レバーを下げると止まる方が災害時に対応できるとの声が大きくなった」と振り返る。

 阪神大震災では断水後復旧に3ヶ月近くもかかった。同県防災企画課によると、原因の大半は水道管の破損だが、家庭やオフィスでレバー式蛇口が開いた状態になり、水が出っぱなしとなって水圧が下がり、断水につながったケースも確実にあったとみられている。

 震災の翌96年に、給水栓についての日本工業規格(JIS)が見直されることになり、97年6月「2000年3月末での下げ吐水型蛇口の廃止」が決まった。法的な強制力はないが、TOTOはこれに従い、97年9月から受注以外は「下げ吐水型」の生産を中止している。

 とはいえ【下げ吐水型】の蛇口がすぐに店頭から消えるわけではないし、そう簡単に取り換えれるものでもない。日本バルブ工業会では「下げ吐水型が市場からなくなるまで数年間はかかるので、利用者に理解を求めるPR活動が必要だ」としている。

 以上、記事から抜粋して紹介した。私の友人が建てた大手ハウスメーカーの規格住宅などでも、新聞で紹介されていたような、キッチンと洗面台でレバー式蛇口のタイプが違うということが実際にあったのだが、住んで使うまで気づかず文句をいって取り換え、統一してもらったそうだ。

 実は、私も十年程前にマンションを購入、リフォームを考えたときにこの問題を不思議に思った。そして迷いながらも、デザイン性にも優れたものが多かったし、当時としては圧倒的シェアの【下げ吐水型】を選んでしまったのだが、徐々に増えてきた【上げ吐水型】には個人的にも大変不自由を感じているわけである。

 私はこの件以来、今まで以上に、単純にシェアが多いからとか、大手メーカーの商品であるからという感覚で物事を決めつけてはならないと考えるようになった。要は、自分が納得するものを選ぶことである。これは、家を建てるときも同様で、ハウスメーカーの規模や営業マンの甘い話についついのるのは論外。自分が納得してから契約するようにこころがけるべきである。■

 

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