★HABITAT:住まいにひとこと:定期借地権、普及するのか?★

-
ハビタット
HABITAT

* CONTENTS *

feature articles
〜特集のページ〜

住まいにひとこと

こんなモノが欲しい!

Q&A

HOME


(株)メディアフォレスト
habitat@mediaforest.com
 
[メニューへ戻る]


No.030 定期借地権、普及するのか?
    〜「歯抜け」景観への懸念(08/11,1999) 美里学

    ご意見はこちら

 定期借地権という言葉をよく耳にするようになってきた。新聞でもその人気を取り上げているが、まだまだ情報は少ないようで、「聞いたことがあるが、よくわからない」という人が多いと思う。実は私も色々情報収集中なのだが、分かっている範囲で紹介してみたい。

 そもそも1992年に「借地法」「借家法」及び「建物保護法」が廃止され、新たに【定期借地権】という制度が導入された背景には、土地の高騰がある。よって、定期借地権は、高い土地代への対策として、安価で良質な住まいの取得を目的とし、土地の所有から土地の有効利用へ、という目的で考えられた制度といわれている。

 この制度には2種類がある。

【一般定期借地権】
「50年以上の契約期間に対して契約期間終了後、契約の更新がなく、確定的に借地権が消滅し、借地人は、建物を解体・除却し、更地にして地主に返却する」

・条件
1.期間の更新がない。
2.建物の再建築による期間の延長がない。
3.契約期間終了時に建物の買取請求権を行使しない。
この3つの特約を結ばなければならない。

・契約方式
更新の排除等の特約は公正証書等で合意する。

・契約の更新
なし。

【建物譲渡特約付借地権】
「30年以上の契約期間に対して契約期間終了後、借地上の建物を地主が相当な対価で譲渡を受けることによって、確定的に借地権が消滅する」

・条件
将来の建物譲渡についての特約を結ぶ。

・契約方式
建物譲渡特約を付ける。特別の手続き上の要件はなし。

・契約の更新
なし。

 このうち住宅購入に多いのが【一般定期借地権】である。建物は自分で購入、土地は購入する替わりに契約時に権利金や敷金、毎月の地代を支払う。ローン返済の負担を少なくし、現在の生活を充実させようという考えの人に最適とPRしているものである。

 もともと地主対策として民間主導で行われているケースが多かったようだが、最近では公団(住宅・都市整備公団)や地方自治体の公社が、国の景気対策として補助をうけて行われ始めている。昨年12月に67億円、新年度予算でも15億円がつぎ込まれ、関東と関西を中心に約2000区画売り出される計画になっている。

 土地付の分譲住宅と比べて6割程度の予算で戸建て住宅が購入できるため、募集は通常の宅地分譲の数倍という高倍率になっている。公団の場合は、6年目以降はいつでも土地の購入ができるということで「とりあえず土地の確保」という人に人気があるようだ。

 しかし、条件の切れる50年後に問題がないわけではない、と思うのである。例えば、昔まだ土地は必ず上がるという神話があった時代に、「とりあえず土地の確保」をと安く購入し「そのうち家を」という人が未だに建物を建設していないがために、団地の中でぽつんと家の建っていない空き地がある、というケース。これは景観上決していいものではない。おそらく公団の場合でも6年目以降に土地を購入した人は住み続けるだろうが、そうでない人は建物を撤去し、同じ様な歯抜け状態の景観が残ってしまうことも考えられる。

 何はともあれ、本来公団や公社は計画的な街づくりをし、良好な住環境を供給すべき機関であるはずなのに、国の景気対策のために利用されるのは少々問題があるのではないだろうか。不況が深刻なのは重々承知だが、家が建ち、それに伴いモノが動けばいい(新築すれば家電や家具などモノが売れる)という発想だけでは、あまりにも国策としては貧しいではないか。将来的な住環境や景観への配慮なども考慮してほしいものだ。■

 

    ご意見はこちら



▲TOP