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No.031 よく這う子は頭がよくなる (08/21,1999) 美里学
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本欄No.027(本誌#025収録)で美濃口氏が書かれた「赤ちゃんのはいはいと座る文化」を面白く読んだ。確かに、西洋式空間では日本の赤ちゃんのようにはいはいする空間がなく、早い時期に立ち上がり歩くというのは、赤ちゃんにとってはかわいそうだなと私も思う。
私が就職した1984年に、ミサワホームの三澤千代治著『子育てに一家言あり』という本が出された。その第1章「知力をのばす」の1番目のコラムが【よく這う子は頭がよくなる】で始まっている。私は学生時代から、子供の成長や教育と住環境の関係に興味があったのでこの本を見てすぐに購入したことをよく覚えている。
この本の影響も多少あるが、結婚して最初の新居からテーブルや椅子、ソファーやベットは置かず、LD(リビング・ダイニング)では座卓と座布団、寝室は和室で、布団で寝る生活を実践している。子供のできについては、まだなんともいえない年齢ではあるが、将来自分なりに検証するのがひとつの楽しみでもある。
本書はなかなかおもしろい本で、設計者をはじめこれから家を建てようと考えている人や、近々子供の生まれる方には是非読んでいただきたい本のひとつなので(しかも絶版らしいので)、第1章のコラム【よく這う子は頭がよくなる】から紹介させていただくことにする。
「這えば立て、立てば歩めの親心」・・・わが子の成長するのを待ちかねている親の気持ちがよくうかがえる。親にとって、いくら早く成長することが望ましいとはいえ、子供の発育過程には、やはりキチンとした段階というものを踏まなければならないようだ。
赤ちゃんの時に、十分に「はいはい」をしなければ駄目なそうで、這うことによって頭脳の発達がうながされる。赤ちゃんは這う時に、一生懸命に首を持ち上げようとするが、その際、後頭部に向かって反らせるように首を上げるが、これが脳の発育にプラスになる。つまり這うことは、頭脳の発達に欠かすことのできない運動ということになる。このことは、アメリカの人間能力開発協会のドーマン博士が、十分這って育った子供と這わないでいきなり歩きはじめた子供とでは、言語能力に差がみられるという研究成果をすでに発表している。這うという行為は、人間の脳に重要な影響を与えているそうだ。
小学校でよく起きる事故に、子供がつんのめってころぶ際に、手を前に出さないで顔をコンクリートに直接ぶつけ、大けがをしたりすることがある。手で顔や頭をおおわないのである。これも幼児期にはいはいをしなかったせいである。
人間が、直立して二本足で歩くようになったのは、約1千万年前からと言われているが、それまでは四つ足で歩いていた。這うことが大切なのは人間の進化の過程の中では、這う時代の方が長かったことからきているのかもしれない。
家の中をグルグルと這いまわったり、とびはねて回れるようにになっている「サーキュレーションプラン」というものがある。輪状の回廊になっているから、子供には無限に這いまわることができるようになっている。
当たり前の話だが、赤ちゃんはこの世に出て最初に住まう場所を選ぶことはできない。出来うる範囲の最良の住環境で迎えたいものだ。■
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