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No.041 安ければいいのか?売れればいいのか?
〜最近の住宅販売事情(10/28,1999) 美里学
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住宅金融公庫の調査によると、戸建ての新築分譲住宅における販売価格は、92年の調査以来過去最低の3、811万円(全国平均6.0%の減)、住宅面積は95.5平米(同2.7%減)、敷地面積も123.9平米(全国平均6.0%の減)と、軒並み減少している。
景気が悪いこともあり販売コストがどんどん下がり、その結果として住宅やマンションを購入する一次取得者も若年化し、20代の低所得層でも持ち家としての住宅購入が可能になってきていることはいいことでもある。しかし、敷地や建物を小さくして売れる価格に合わせただけの粗悪な物件も出回るようになってきているのは少々問題だ。
例えば、最近の分譲住宅では、敷地の狭小化に加え、コストダウンのため単純な箱形シルエットの建物により、敷地の有効利用がなされていない物件や、エクステリアについても緑の少ない、お粗末な物件も多く見られる。
間取りをみても、子供の成長に対応できない大きさの洋室設定や、廊下などの共用スペース、そして収納スペースをなくして部屋数だけを確保しているプランなど、気になるものが少なくない。これは、将来を考えると問題の多い物件、といえる。新聞のチラシなどをみる限り、これはマンションについても同様である(最近、間取りや設備のオーダータイプのマンションが売り出しされるようになったことは評価できる)。
また宅地においても、後先を考えずに分譲されているケースも目立っている。宅地は、道路が南側に接した価格の安い条件のいい宅地から売れていくのが通常だが、ここでも売れるからといって南側の宅地ばかりを販売してしまうと、問題が起こることがある。たとえば「南側を購入した人は北側の日当たりなど考慮しないで北側の境界いっぱいに寄せて建物を建ててしまう」ことが多いので、北側はより日当たりの条件が悪くなり、結果的にはいつまでも空き地のままで売れない宅地となってしまう。
南側や角地の条件のいいところだけに家が建ち、北側が空き地になっているような状況は、目先のことしか考えていない結果といっていいだろう。優れたビルダーなら、それなりの条件(北側宅地に配慮した計画条件)や値付けをして、土地および住宅を計画的に販売していくものである。
最近のビルダーには、安ければ売れる、といって販売価格から逆算して計画したような売れ筋住宅の販売が目立つ。これから購入予定のユーザーも、安いからといってついつい購入を考えるというのではなく、このような供給方法に疑問をもってほしい。
ハウスメーカーをはじめ住宅関連メーカーは、ローコスト商品の開発が盛んだが、必ずしも質的にいい住宅が安く供給されているとは限らない。その現実をユーザーは認識しなければならない。■
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