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No.073 若者はスペシャリストを望んでいる(9/16,2000)
美里学
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財団法人社会経済生産性本部が実施した「1999年度新入社員意識調査」によると、ひとつの仕事や持ち場を長い間経験するスペシャリストとしての職場を希望する人は、前年度より2.1ポイント増え51.3%となり、90年度の調査以来初めて過半数に達した。また、いろんな仕事や職場を経験するゼネラリストを希望する人は、前年度より2.1ポイント減り、48.7%とスペシャリストを希望する人を下回った。この調査からも、若者は今までの中高年が歩んできたような、いろんな職場を経験したり、転勤を繰り返すことで出世したいという様なことを望んでいないことが分かる。
ところが、企業としてスペシャリストを育てるには、時に斬新な意見や行動を容認することも必要だと思うのだが、多くの幹部職員にはゼネラリストが多く、未だスペシャリストを育てようとしないばかりか、不景気を理由にその芽を摘もうとする傾向も強いといえるのだ。私の知っている住宅メーカーに勤務していたインテリアコーディネーターや造園の設計者の中にも、退職を迫られたり業績不振支店への転勤を命じられた者が多い。いわゆるリストラである。要は、住宅メーカーにとって住宅本体の提案以外は利益率が悪く、時間の無駄と会社が判断しているのであろう。
どこの企業も景気が悪くなれば採用を控え、利益の上がらない部門の縮小をし営業に力を入れるようになるが、少し景気が上向き始めると設計者や技術者が急に足らなくなり慌てて採用したりする。このような採用計画を繰り返しているだけでは、企業としての技術向上もスペシャリストの育成もあったものではないといえるだろう。
少子高齢化が進み、住宅の数的需要は間違いなく減る中、景気が回復したとしても、適切な提案ができる設計者やニーズに合った商品を開発できるスペシャリストが育っていなければ、競争に勝つことはできない。また、これからの社会は、一人のリーダーが引っ張るのではなく一人ひとりの志が時代を変え、IT革命がそれを後押しすることになるのだ。日本経済や会社の発展に貢献したと昔話に酔いしれる中高年幹部職員達が一掃される10年後位には、若い社員にとっても少しは期待できるような状況になっているかもしれないが、それまで利益優先の住宅メーカーが生き残れるかどうかの方が問題かもしれない。■
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