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No.080 シックハウス症候群(5)(11/10,2000)
美里学
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メーカー約7万社からなる住宅生産団体連合会が98年に調査した結果(複数回答)によると、「顧客や入居者からホルムアルデヒドに関する指摘や要望を受けたことがない」という回答をしたのは、わずか7%で
「健康に配慮した住宅に関する問い合わせがあった」−69%
「刺激臭がある」−42%、
「室内空気濃度の測定を求められた」−24%
その他、
「病気になった」
「家を引き取るようにいわれた」
など極端な例も上がっている。
それでは、本当に健康に配慮した家は出来ないのかといえばそうではない。化学物質を含まない建材を用い、床下や壁の内部には炭を入れ、壁紙には和紙を用いるなどすれば、ほぼ安全な住まいを建てることができる。
しかし、問題はコストである。一般在来工法で建てた住宅であっても、1坪当たり約70万円近くしたケースもあり、最低でも通常よりは2割ほど割高になると考えておいていいのではないかと思う。例え大手プレハブメーカーが標準仕様で対応しているとしても、完璧を目指せば割高になってしまうことはさけられないというのが現状ではないだろうか。
何度もいうようだが、そもそもシックハウス症候群が問題化してきたことは、日本の住宅政策が「安全な住まい」を供給しようというのではなく、「安くて簡単に建てられる家を大量に供給する」「壊れれば建て替えればいい」というような形で進められてきたことが一番の問題ではないかと思う。そして、その恩恵を受けてきたのが、現在では業界をリードしているプレハブの住宅メーカーではないかといえる。
プレハブメーカーは、将来的には熟練した大工が減ることでプレハブ住宅のシェアはまだ伸びると考えているようだが、この住宅メーカー各社がコストの追求を考え直し、安全な住まいの供給に目を向けていかなければシックハウス症候群については減らないのではないか。
プレハブ住宅も最近では安物のイメージはなくなってきている。というよりも機能やデザイン性については、在来工法よりも優れているといってもいいだろう。それだけに、プレハブメーカー各社が、大量生産によるコストを追求するような事業展開ではなく、消費者にとって「安全な住まい」を供給していくことをコンセプトにした事業展開が必要となってくるのではないかと思う。■
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