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No.084 設計の分業化と計画へのこだわり(12/1,2000)
美里学
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最近建てられたと思われる住宅を見ていると、建設者のポリシーをあまり感じない計画が多くなってきたのではないかと、同じ業界人として何ともいえない、情けない気持ちになってしまうことがよくある。
ニュータウンの均質的な造成計画、コストだけを追求したかにしかみえない四角い建物、どれもよく似ているプレハブメーカーの建売り住宅等、こだわりを持って計画されたとは思えないような建物が実に多くなってきているといえるのではないだろうか。
また、住まいづくりにおいては、幅広い年齢層の多様なニーズに、設計者は対応していかなければならないわけであるが、これらを見ていると、住宅の建設に携わる設計者の中で、細部にわたり仕様やデザインにこだわりを持ち消費者のニーズに応えようとしている者は一体どれくらいいるのだろうかと考えてしまう。
ひと昔前の建築家達は、庭木の配置や家具のディテールなど全体の計画に加え、細部にわたりこだわりをもって図面を書いていたものだが、住宅設計業務においてインテリアやエクステリアの提案作業が分業化されつつある今日は、建物については前向きに取り組んだとしても、総合的にいい住まいを提案しようという認識が設計者には薄れつつあるよな気がしてならない。
しかし、数やコストが追求されていた住宅政策から、質も追求されるようになるだろうこれからの住まいについては、供給側(特に設計者)が間取りを考え建物を建てて終わりではなく、入居者の暮らしにまで関心をもってエクステリアやインテリアの提案まで総合的に関わるべきではないかと思う。
いくらコストを意識した単調な建物でも、エクステリアの計画を少し工夫することで、全体としての見栄えを良くすることができるし、狭い室内でも収納や家具の配置などについて、計画段階で十分な検討をしておきさえすれば、決して使い勝手は悪くならないものである。小さな建物であろうが、コスト的に厳しい工事であろうが、ユーザーニーズに応え少しでも快適な住まいをつくろうと思うこだわりは、設計の分業化が進もうと、設計者として持ち続けなければならないポリシーの一つではないかと思う。■
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