★HABITAT:理想のキッチンは理想になるか?★

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No.092 理想のキッチンは理想になるか?  (2/16,2001)  美里学

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 先が見えてきたかのようにもいわれているが、マンション業界は相変わらず元気である。そんな中、子育てをする母親らでつくるマーケティング会社と商社系マンションビルダーとで共同開発したキッチンを採用するマンションが建設されるという記事が新聞に載っていた。

 このキッチンは、100人の主婦のアンケートをもとにメーカーにコンペ形式(競技形式)で提案させ、一番いい内容のものを商品化したものだそうだ。そんな「理想のキッチン」は、手入れが簡単なレンジフードやイタリア製の高級水栓など、今までの台所に関する不満 !?を解消するアイテムが盛り込まれており、広さについても7.6?と従来の物件より50%程広くなっているとのことである。このマーケティング会社は今後も洗面所や収納スペースについても主婦らと共同開発していく予定があるとのこと。

 確かに、住設備機器メーカーで開発される商品であっても、モニターとして一般の主婦が関わる事はよくあることだが、最終的にはメーカーの都合で商品化されている事を考えると、そのような商品よりは少しはましではないかと一瞬思ったのである。

 しかし、実際に採用するときには住設機器という商品だけが良くても、関連してダイニングやリビングとの間取りや動線(人の動き)との関係も良くなければ何にもならない事を、供給側としては忘れてはならない。

 また、子育てをする母親達の年齢は30歳台が中心になるのではないかと思うのだが、彼女たちが購入できるマンションの平均専有面積を70〜80?台と仮定しても、広さ7.6?のキッチンというのは全体の約1割のスペースを占めている事になる。キッチンだけを考えれば理想の空間なのかもしれないが、販売価格や専有面積とのバランスなどを考えてこのキッチンを採用する事がいいのかといえば、はっきりいって過剰設計ともいえるのではないだろうか。

 供給側のビルダーは、消費者が目で見たものに、ついついつられてしまう事をよく知っている。知っているから、見た目にもいいキッチンや浴室といった設備機器を採用し、狭い部屋でも数だけは確保しようとする傾向にある。しかし、特殊なケースは別にしても、価格、、間取り、仕様など全体的にバランスの取れていることがやはり理想と考えるべきではないかと思う。■

 

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