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No.099 急成長した住宅産業の現状  (5/25,2001)  美里学

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   ネットビジネスが急成長しているが、一方で厳しいノルマや不正がないわけではないらしい。販売手法に批判をあびている販売大手もでてきた。しかし、社長のコメントとしては、

「急成長に社内の体制整備が追いつかなかった。」
「過去の成功体験が邪魔して抜本的なメスがはいらなかった。」
「内部管理を仕切れる人材が育っていない。」

と素直な意見が紹介されていた。

 ところで、急成長といえば住宅産業も急成長した業種のひとつといえるのではないだろうか。ほんの40年程前からの産業であるにも関わらず、大手スーパーゼネコンに匹敵する住宅メーカーも出現している。住宅関連で急成長した企業は住宅メーカーだけではないが、おそらくどこもが厳しいノルマや多少の不正も行いながら!?今日に至っているのだろう。

 さて、繊維や鉄鋼業界など一つの時代の中で急成長してきた業界や創業100年を越える大企業であっても、成長しきってしまえばそれまでの勢いは衰え淘汰されたり、形態を変更したりしているように、国の政策として着工戸数に重点がおかれて成長してきた住宅産業も少子高齢化の影響を受けその勢いにブレーキがかかりはじめてきた。

 そして、世間では早くから行われていた合理化(リストラ)の波も、確実に住宅業界にもおしよせてきている。販売ディーラーの統合や関連会社の吸収合併が新聞紙面をにぎわせたり、売上げ維持のために、消費者に満足していただけるような提案力の低下も承知の上で、設計マンから営業マンへの配転も行おうとしている大手住宅メーカーの話も耳にするようになってきた。しかし、経営幹部が入れ替わっている様子はなく、だからといって率先して新しい意識改革の徹底が図られているようでもないのが実態なのである。

 表の顔としては「質が問われる時代」と各社の経営陣はコメントしながらも、年度末や決算期に向けての契約の前倒しを急ぐ物件の広告(図面)を見れば提案力の低下(手抜き)も分かるような状況になってきており、消費者もこの現状をよく把握しなければならない厳しい時代に突入してきたといえる。

 既に成長しきってしまった住宅メーカーにとって『質』重視を全社員の身に付けさせることは同業他社に勝つという意味においては大変重要なことなのであるが、現状ではまだしばらく『売上』重視が続きそうな雰囲気が漂っている。要するに、消費者自身が住まいに関しての関心を高めていかなければ満足できる住まいを得る事が困難な時代といえるのではないだろうか。■


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