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No.101 木造住宅が危険なのではない  (6/21,2001)  美里学

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   昨年のデーターではあるが、日本木造住宅耐震補強事業者共同組合が過去2年の耐震診断結果のデーター(約2万3千件)として「診断した木造住宅の4分の3は地震に対して危険な住宅」として公表し、現行の建築基準法を満たしていない「既存不適格住宅」は76.27%で、特に危険な「倒壊または大破壊の危険がある住宅」は50.82%にものぼると発表している。

 集計の結果は、古い住宅ほど不適格比率が高く、1949年以前の建物では91.88%の住宅が「不適格」と診断されている。また、1981年以降でも壁量は満たしているものの壁の配置バランスが悪い為、不適格になったケースも63.82%と多い。

 同協同組合では、昨年の6月に告示された建築基準法施工例を反映するとさらに不適格住宅の比率は高くなるだろうとしている。この診断基準は、建設省監修の書籍「木造住宅の耐震精密診断と補強方法」に準じているが、業界では標準的に使用されている手法で、地盤、建物形状、壁の配置、老朽度などを調査、評価するとしている。

 もし、消費者が公表されたこれらのデーターを目にしていたら、木造住宅の二つに一つは不適格ということになるのだから木造系住宅を敬遠しようと神経質になっているのではないかと思うのだが、実は鉄鋼系でも計画が悪いと家が揺れたりするように、設計や施工の善し悪しによっては不適格となるわけで、単純に木造だからよくないという判断をするのは大きな間違いだ。

 問題なのは、悪質な住宅メーカーや工務店が設計施工といいながら、いいかげんな設計提案で契約をかわしたり、受注後の工事でより多くの利益を得たいがために、いい加減な施工や手抜き工事でコストダウンをはかろうとしたりすることなのである。

 そこで、このような欠陥住宅を未然に防止する意味においても「住宅の品質確保促進等に関する法律(品確法)」が法制化され昨年からすでに実施されるようになり、任意ではあるが消費者の要望によって住宅性能評価機関による性能評価を申請し欠陥住宅の防止につなげることができる様にもなった。

 上記のような調査結果を見せ付けられると、特に中小規模の施工業者に木造住宅の設計施工を依頼するような場合には、是非ともこの制度を利用して、最低限の安心は得ておく方がいいのではないのかと個人的には思うのだが、実際のところ、申請のための10万円程度の手数料に割高感を覚える消費者が多いためか普及していないのが現状のようだ。

 悲しいかな多くの人は阪神大震災で欠陥住宅がクローズアップされた現実をすでに忘れてしまったのだろうか。長く安心して住めるための保険と考えれば決して高い金額ではないと思うのだが・・・。 ■


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