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No.102 図面の必要性  (7/6,2001)  美里学

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 「景気が悪いのに忙しい!」 耳慣れた言葉だが、建設業界でも見積もりばかりで仕事につながらないと、みんな嘆いている。アリが甘い匂いにつられどこからともなく群がってくるように、少ない仕事に企業の大小を問わず業者が群がるのが現状のようだ。

 さて、住宅やエクステリアを建設しようとする際にも、それらを契約する段階では、図面と見積もりがセットであることが本来の条件なのだが、予算だけがなんとなくまとまったような気にさせられ、現場が動きだしてから詳細プランがついてくるというケースがまだまだ多いのではないだろうか。

 以前、図面があまりにも少ないのではないかという相談を受けた方のケースは、大手プレハブメーカーの住宅を契約する直前だったのだが、プレハブメーカーの標準的仕様ということで詳細の分からないおおざっぱな図面で話が進み、「カタログのイメージ」で打ち合わせが済まされようとしていた。

 標準仕様から少しでも変更があれば、「カタログのイメージ」と「実際のイメージ」が異なるため、本来なら図面を書きそれについて打ち合わせを行うものだ。

 しかし、図面を書き詳細をまとめるということは、時間も手間暇もかかる作業、すなわち人件費がかかるということで、供給側としては、その手間をできるだけ省き何とか早く契約し売上げに計上したいために、標準的な商品で進めようとしたり、あいまいな図面での「一式見積もり」でその場をしのぎ、予算内で建設ができるかのようにアプローチしてくることがある。

 そして、結果は工事段階で「イメージが違う」とか入居後に「使い勝手が悪い」というトラブルが発生し、追加発注や手直しというどちらにとってもデメリットになってしまうことがよくある。

 では、このようなトラブルが起こる原因を考えてみると、設計費用が建設費に含まれており、その費用を最小限にとどめようと供給側で仕組まれていることにあるのではないかと思う。高額物件は別にして、プレハブの住宅メーカーの普及商品などは、必要以上の打ち合わせを行う事を大変嫌うと聞く。極端な例としては商品によっては打合わせ回数が決められており、それを超えないよう指示されているマニュアルまでつくられているという話も聞いたことがある。

 建設するという行為には図面や見積もりは絶対条件なのに、供給側でそれを工事に含めた形で処理しようとすることや、その回数や時間を決めつけたりしていることは問題といえるが、それ以上に消費者が、図面の必要性やその価値を認識していないことの方が本当は問題といえるのかもしれない。■


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