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No.106 マンション購入のポイント (8/17,2001) 美里学
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正月、ゴールデンウィーク、お盆。こんな長期休暇の最中にも必ずどこかで住宅やマンションの販売会が行われていることだろう。しかし、好景気といわれてきたマンション業界も最近先行きが怪しくなってきている。
それでも、新聞や雑誌には「マンション購入のポイント」として購入を催促するかのような掲載が目に付くのだが、一般的すぎて言葉が足らない内容の記事も多いので、よく取り上げられている点について少し補足コメントしてみよう。
◆災害に備えて建築構造や基礎工事がしっかりしているマンションを選びましょう。
先ず基本的な構造についてだが、「災害に備えて建築構造や基礎工事がしっかりしているマンションを選びましょう。」と書かれているが、どうしっかりしていればいいのか一般の消費者の方にはなかなか分からないのではないだろうか。
阪神大震災で特に被害が多かったのは1981年の建築基準法の改正以前の建築物だが、木造以外のRC造(鉄筋コンクリート造)などでも被害が多くみられた。最近でもRC造のマンションはあるが、SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)という鉄骨で柱や梁を組んでそれを鉄筋コンクリートで覆う構造、もしくはRC造に一部がSRC造という構造の物件が多くなってきている。基本的に建築基準法の改正以降の建築物は、手抜き工事を除けば工法的には問題ないといっていいだろう。
また、基礎工事は杭が打ってあるかだけではなく、支持層になる地層まで杭が打たれているかがポイントといえる。
これら基本的な構造に加え、床(スラブ)の厚さ(コンクリートスラブで20cm)や、フローリングの防音効果(L値45は必要)についても確認しておかなければならない。
◆分譲する不動産会社だけではなく実際に建てる施工会社も信頼と実績のある会社であるか確認しておきましょう。
次に施工業者についてだが、「分譲する不動産会社だけではなく実際に建てる施工会社も信頼と実績のある会社であるか確認しておきましょう。」といわれてもこれも判断が難しい。分譲する事業主が大手であってもコストダウンのために二流ゼネコンが下請けとして施工を行うことがよくある。実績という意味ではあまり聞いたことがないような会社が元請なら、なおさら注意が必要といえるのではないだろうか。
だが、信頼という面では必ずしも実績とイコールではなく、いくら大手建設会社であっても担当者(設計責任者、現場責任者)しだいでは二流物件となってしまうこともある。マンションの場合は竣工前に契約が行われる場合がほとんどなのでこの件についての判断も難しいが、近くで同じ建設会社が施工している物件があるなら偵察に行ってみることをお薦めしたい。チェックポイントは
・近隣に対しての配慮(本日の作業内容の通知など)
・現場の清掃状態、現場作業員の質やガードマンの態度
などで下請け業者の質も分かり、元請け会社そのもののレベルも想像がつけられるのでチェックしてみるといいかと思う。
◆管理の質も確認しておきましょう。
次に「管理の質も確認しておきましょう。」といわれてもどこをどう確認すればいいのか不明瞭な表現が多い。これについては「同じ事業主の物件を見に行けばいい」という表現をしている雑誌もあるが、この時に肝心なことは
・同じ様な規模(戸数)であること
・管理人が住み込みであるかどうかなどの管理形態
・管理の委託会社が同じであるか
などを確認しておかなければ意味のないことになる。その上で清掃状況などを確認すればいいのだが、1階だけではなく途中の階、非常階段、屋上があれば屋上なども要チェックといえるだろう。
◆自由設計や選択プラン
最後に、販売として「自由設計」や「選択プラン」という一見消費者に目を向けているかのような手法も話題になっているが、これは何も最近に始まった手法ではないことを知っておいていただきたい。そもそも、この手法での実績の乏しい事業主は、合理主義或いは営利主義を貫いてきた企業で、買手市場になってきたからといってこの手法を真似たところで、設計やコーディネータから質の高い提案が受けられるとは思えないし、本質的な営利主義が急変するとも考えられないだけに要注意といいたい。
供給過多になりつつも、企業が売上げを維持するには一定戸数を売出さなければならないという矛盾が、マンション業界には生じてきている。要するに、質の高さよりも売上げを優先せざるを得ないという状況であるだけに消費者としては充分な学習をした上で計画的な購入をして欲しいと思う。■
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