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No.107 防汚に思う (8/30,2001) 美里学
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少し前になるが、CMを見ていて某住宅設備機器メーカー(以下住設メーカー)の「防汚(ぼうお)」という言葉が目にとまった。この住設メーカー曰く、「防汚」とは、美しく暮らす為に「物づくりの段階であらかじめ汚れをつきにくく、落としやすく、工夫しておくこと」とうたっている。掃除の手軽さや清潔感をアピールしているのだろうが、実際のところこのような機能がどれだけ必要なのだろうか?
住設メーカーや住宅メーカーでは、消費者アンケートの結果による商品開発や改善が頻繁に行われているが、その中で当り前のように出てくる結果にも関わらず毎回取り上げられるのが「掃除はいやだが、きれいにしておきたい」というようなわがままな意見であることは容易に想像がつく。このようなニーズにメーカーが、がむしゃらになって応えようとした結果が「防汚」なのだろう。
それでは、「防汚」の商品にはどのようなものがあるかというと、表面を樹脂加工した掃除のしやすいキッチンの扉、水拭きだけで油汚れがおとせる壁面材、水アカの付きにくい洗面器や便器等が上げられる。
しかし、防汚加工、防汚デザインだからといって今までなら月に3回していた掃除が2回で済むかもしれないが、掃除することもなくいつまでもきれいに保てるかといえば、全ての物に対してそんなわけにはいかないだろう。反対にそのことを信じて掃除をしなくなることの方が問題といえるのではないかと思う。
掃除については、たまにまとめてしている住まいと比べれば、こまめに掃除している方がきれいに保たれているという感じがするものである。また、まとめて掃除を行ったとしても必ずやり残してしまう部分があるため、そこが次の掃除までの間にさらに汚れ、きれいな部分と汚い部分とがより明確になってしまうことにより全体のイメージを悪くしてしまうことになる。
将来、日本も欧米のように住まいの管理状態によって建物の価値を評価されるようになる可能性もある。そんな状況であったとしても果たして「防汚」のような機能だらけの住設機器類が必要なのだろうか。何でも技術力や人を頼り、自分で手入れや管理をしないというようなことが決してプラスではないということに消費者も気づかなければならないのではないだろうか。■
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