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No.110 田舎暮らしの落とし穴 (10/4,2001) 美里学
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定年後の豊かな暮らしを実現するための選択肢のひとつとして「田舎暮らし」が話題になっている。が、某大手住宅メーカーが展開している事業の展開そのものにも落とし穴があると朝日新聞で取り上げられていた。このハウスメーカーが展開している田舎暮らしができる物件は全国に10ヶ所あるが、その内最も人気があるのが、北海道の鹿部と九州の別府という。その鹿部で生じている問題を紹介しよう。
田舎で定住というシニアライフのエンジョイを考えている人たちに業者は「同じ仲間がいるから安心感があり地域には馴染めます」とPRしているようだが、実際には一般の住まいとは異なりライフスタイルに合わせて住まい方を選択するのが田舎暮らしであって、自分の生き方を貫きたいがために全国から集まった「わがままな老人」が隣近所や同じ自治会内の地元住民との間でトラブルを起こすケースが増えてきているという。
また、民間事業のおかげで人口が増えたものの、本来人口の少ない地域だっただけに定住となれば急激な高齢者の増加による医療費の負担など、地元の健康保険財政も破たん寸前となっており行政としても対応をせまられている。大手住宅メーカーの事業だから安心と思われたものの、実際の管理は下請けに任せ切りで本部にまで苦情が届くこともないという。せっかく購入した物件を2年前の半値で処分し地元にもどるという「高齢者Uターン」も生じているということだが、戻れるところがある人はまだ幸せと嘆く人もいるとのこと。
行政自らが開発許可をおろしながら対応に追われ、又事業者は土地や家を売りつけるだけで起こり得る問題を検討せず、そして消費者も別荘と定住の違いを真剣に考えて購入したのか・・・。このような原因の特定できない問題は、何というか実に日本人的で、どっちもどっちだといわざるを得ないような話だ。
「田舎暮らし」に関する雑誌や企業又は個人のホームページも増えているが、問題の本質に触れているものは非常に少なく、新聞ででも取り上げられなければ消費者に伝わらない情報であったに違いない。
雑誌の後ろには1万件もの物件情報が掲載されているが、もし消費者のニーズと需要がありながらこんなに多くの物件が残っているというのなら、乱開発以外の何といえるのだろうか。
リゾート関連企業は、団塊の世代が定年退職を迎える2007年をめどに、土地や建物の販売を強化しようとしているが、色々な方の意見を聞く限りでは「田舎暮らしであってもバスや電車の便がいいこと」あるいは「車が運転できなくなったら都会に戻る」という考えが無難なようである。
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