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No.117 インターネットと住宅展示場 (1/25,2002) 美里学
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元旦の新聞にも例年同様に住宅メーカーの広告や折り込みチラシが多くみられた。2日からオープンしている展示場や現地説明会を行っている分譲物件等、相変わらずだなと思ったものだ。
さて、既にITバブルの崩壊ともいわれているが、この数年インターネットの普及により様々な商法が出現した。住宅メーカが、住宅展示場を頼らないでインターネットによる住宅販売の推進を行うようになったのもそのひとつといえるだろう。では、何故各社が競ってインターネットによる販売に乗り出すようになったかということについて少し触れてみたいと思う。
全国各地に見られる総合住宅展示場に出展するには、都心部では人件費を除く固定経費として1件当たり年間約3千万円程必要になるといわれている。大手の住宅メーカーの場合、全国に数百ヶ所の展示場を展開しており、その負担は数十億ともいわれている。競合が多い住宅産業では、このところ販売価格の低価格化や値引き合戦も激しく、受注はしたものの利益率の低下が著しい状況が続いており、経費削減は住宅メーカーにとっては重要課題の一つとなっている。これまでは、住宅展示場の新規出展がエリアの拡大にもつながり、営業マンの増員が販売力の増強ともいわれてきたが、少子高齢化の影響をうけ着工戸数の減少が確実といわれる中で、莫大な経費のかかる展示場による営業手法も一部では見直されようとしている。
ただ、インターネットによる効率が展示場経由に比べ10分の1以下といわれても、そう簡単に今までの企業体質や体制を変えられるものでもない。時代の流れに反するかのように営業強化を理由に全展示場に設計マンの配置を実施しようとしている大手住宅メーカもある。素早い顧客対応をと考えているのかもしれないが、技術者の転勤や新規採用に伴い社内体制に不備が生じ、結果的には信頼を得ることができないばかりか、人件費が膨らむだけといえるのではないだろうか。
今後も、各社共に試行錯誤しながらインターネットによる受注にも力を入れていくことは間違いないと思われるが、流行に乗り遅れまいとする考えでインターネットによる販売を展開しようとしたところで受注につながるものではないといいたい。タイムリーに適確な提案を消費者に配信できるかが大切であり、専任の設計スタッフや資金計画、税制上の問題等に素早く対応するような体制を整える事ができるかどうかがインターネット営業の勝組みとなるポイントといえるのではないだろうか。そして、何より肝心なことは入居後のアフターサービスや住まいに関する情報提供が適格に行われるかどうかが、顧客への最大のサービスとなり信頼へとつながるといえるのではないだろうか。
実際のところは、インターネットによる受注が普及するにはまだもう少し時間はかかると思われるが、消費者にとっては、わずらわしい営業マンと会うことなく必要な情報を手に入れる事ができるようになってきているのは事実だ。インターネットの普及により、住宅業界の対応も少しずつでも顧客志向に変わってくるのであれば大変よいことだが、住宅産業も先細り顧客獲得合戦が激しくなるだけに、消費者もより多くの情報の中から本当に重要な情報はどれかという決断を迫られるようになるのもまた事実ではないだろうか。
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