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No.119 公的住宅の目的  (2/22,2002)  美里学

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  以前にも住まいにひとことで、
「公的機関の住宅設計条件」 −公的機関の住宅設計条件(12/2,1999) 
http://www.mediaforest.com/habitat/essey/e_046.htm
 と題してある住宅供給公社の設計条件について述べたことがあるが、相変わらず代わり映えのしない公的住宅事業について再度触れてみたい。下記は、某市で公募された住宅供給公社の設計競技(コンペ)で、民間と共同で行おうとしている分譲事業における設計競技の主旨からの抜粋である。

◇住宅開発提案募集の目的 「某市住宅供給公社(以下「公社」とする)が住宅を供給するに際して、一定の条件のもとで民間企業の持つ企画・技術などの総合力を最大限に活用した団地計画の提案を受け、斬新で魅力のあるすぐれたものを採用することにより、大規模な戸建て住宅群でありながらも、良好な住環境の創造と高品質でかつ、低廉な住宅供給をすることを目的としている 」

 と、一見聞こえの良い表現の中身は、地場の中小住宅メーカーや工務店ではおそらく対応できないと思われるような細かな設計条件に加え、厳しい請負金額や経費が決められており、過去に請け負った事業者の多くからは、「利益を考えれば公社の事業を請負うメリットなどない」という声をよく聞く。

 また、この設計競技も公募といいながら、造成計画から住宅計画、提出図書や見積書の提出までを約1ヶ月間で行わなければならないような作業スケジュールは、事前にどこかの企業と話がついているのではないかという疑いも持たれる。都市基盤整備公団が行う設計競技も、公社と同様に公募というスタイルをとりながらも大手住宅メーカーには順番に話が持ちかけられているのではないかという噂もある。

 どちらも「当選作品は一切公開しない」としていることが疑いの原因ともいえるが、住宅メーカー等に事前に土地購入や事業に対しての参画意思を打診してからしか公募しないという噂も本当のことなのかもしれない。

 公的機関の住宅事業というのは良好な住環境づくりが目的であったはずが、最近では民営化等の話しを前にしてか、土地の処分に目的が置かれているかのようになり、年度末には決まってあわただしく設計競技が行われるようになっているようだ。

 良好な住環境の創造は確かに必要だ。公社や公団の物件なら安心と思えるのかもしれないが、公的機関の住宅だから優良かといえば果たしてそういいきれるのだろうか?コンペの公募資料には「高齢者への配慮」「環境との共生」「シックハウスへの対応」といった最近流行の言葉が並んでいる。しかし、対象は誰かということを明確にしないで流行の言葉を多用しても斬新、高品質、魅力的な物件が本当に計画可能なのだろうか?

 もはや土地の処分が目的となっているような公的機関に良好な住環境についての創造など望めないのである。 ■


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