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No.121 住宅メーカーの勝ち組みと負け組み  (3/22,2002)  美里学

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 建材を扱う知人が、業界団体が主催する研修会に参加した時のゲストで、有名らしい経営コンサルタントの先生の基調講演の話を少し紹介しよう。

 自分の住まいの近くを散歩していたらA社が住宅を建てていたので少し覗き込んだところ、現場の工事担当者が「いらっしゃいませ!」と挨拶された。驚いたものの「客ではないが見せてくれるか」というと工事途中にも関わらず、それも工事担当者が丁寧に案内してくれたというのである。

 それに対して、管理職向けの講演を依頼されたB社では、毎朝「お客様に奉仕しよう!」というような社訓から始まるのが日課というので、その本意を尋ねたところまともな答えが返ってこなかったという。

 両社とも顧客を意識していることには変わりないが、A社では(たまたまかもしれないが)末端の現場担当者まで徹底されていたものの、B社は毎朝唱える社訓の意味を理解できていない。この両者は今の段階では業界で1、2を争う企業ではあるが、今後おそらく差がつくだろう・・・と。要するにA社が勝ち組みで、B社が負け組みというのである。

 そういえば、A社では、営業マンが数件の契約を結べば1件のおまけ(紹介物件)がついてくる割合が高いのに対して、B社では契約後の解約やクレームが結構多いと聞いたことがある。また、A社では、後工事となるエクステリアの売上げを上げるためにアフターサービスに力を入れたのに対して、B社ではアフターサービスの対応が悪いからエクステリアの受注を避けてきた、というような噂もある。

 このようなことで、勝ち組みと負け組みの判断をつけるのもと思うが、ささいなことと安易に考えた事で、信用と売上げを落し企業の運命を大きく変えた食中毒事件やリコール問題を忘れる事はできない。

 大企業では、毎日決まったように社訓を唱え、そして訓示を聞き、勢いをつけていざ出陣・・・!?。しかし、もはや、勢いだけで住まいの受注を確保できる時代ではないといえるのではないだろうか。

 住宅業界も、顧客志向に向けて動き始めているには違いないが、残念ながら購入者の信頼を得、紹介物件の獲得に至るには大手メーカーでもまだまだ時間がかかると思われる。だからといって、単に営業力だけを上げたところで提案や施工で評判を下げているようでは、コンサルタントの先生が言うように総合評価としては勝ち組みとの差は今以上に大きくつくことになるといえるのではないだろうか。■


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