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No.138 機械に頼りっきりの設計者 (12/13,2002) 美里学
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最近の若い人はあまりにも機械(コンピューター)を頼りすぎると感じることが増えてきた。
一昔前は、コンピューターだけで全て処理できないものや、一度人が考えてからでないと入力できないものなどあったが、最近では殆の作業を機械的に処理できるようにもなってきたためか、改めて自分で確認しようという行為をとることもなくなってきているのではないかと感じることがある。
建築業界でもCADが普及している。特にプレハブの住宅メーカーでは、殆どのメーカーで図面がシステム化されており簡単なスケッチに基づいて入力すれば工場での生産に必要な図面や見積りができあがってしまう。入力して図面を完成させることについては、建築的な知識がない者でも可能ということだ。これは、プレハブ住宅というシステム建築のメリット(作図時間の短縮や経費の削減)ではあるのだが、若い設計者にとっては技術力や提案力のスキルアップの妨げとなっているともいえるのではないだろ
うか。
時代遅れといわれるかもしれないが、十数年前まではだれもが平行定規や三角定規で図面を書き、手を動かすことで大きさや形の感覚を確認していたと思う。そして、手書き図面はCAD図面のように簡単に変更や修正ができないため、無意識の内にもレイアウトや細かい詳細などについて事前によく考えて作図にとりかかっていたものだ。
※建築士の試験は未だ手書きです。
今、住宅メーカーの建売り物件やチラシ、カタログ等を見てもなんとなく物足りないというか味気ないというか・・・魅力ある住宅が少ないと感じるのは、設計者の技術力や提案力の低下も原因のひとつとして上げられるのではないかと思う。そして、このことは住宅を商品として扱っているような住宅メーカーの根本的な問題として改善、検討していかなければ、将来エンドユーザーによりよい住環境を提案することができる設計者が住宅メーカーからは激減するという事態に直面するのではないかと思う。
生産性の向上や合理化が企業としても生残りを左右するようなことが言われてはいるが、住まいづくりに関しては何よりも提案力なくして契約に結び付くことはないといえるのではないだろうか。
CADで図面を書いている若い人の中に、自分では立派な図面を書いていると錯覚している人が多いことを感じているのは何も私だけではないと思う。図面やプレゼンテーションの作業はコンピューターでも出来る便利な時代になったものの、自分の手を動かし体で修得しなければならないこともあるということを若い設計者には是非認識しておいていただきたい。
そして、エンドユーザーへのアドバイスとしてはCADで書かれた図面やCG(コンピュータグラフィック)の見た目の美しさだけにつられないように、くれぐれも忠告しておきたい。
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