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No.140 住まいづくりの固定観念  (1/10,2003)  美里学

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 年末に資料を整理していると、某住宅情報誌のこれから一戸建てを購入する人必見と題した「ゼッタイほしい一戸建ての設備はコレ!」という雑誌がでてきた。当時、車内広告につられついその本を買ってしまったわけなのだが、内容は、読者アンケートと一戸建てを購入した主婦5人との座談会の模様が記されているものであった。

 つい最近までは、住まいを計画する場合の決定権は男性は外観やエクステリア、女性は水廻りやインテリアと何となく相場が決まっていたように思う。

 特に、キッチンのような水廻りにおいては営業マンも女性が決めるものだという考えで打ち合わせにのぞんでいたものである。しかし、住宅を購入する人の若年化などからも分かるように、過去の経緯や固定観念だけでエンドユーザーに提案していくようなことはもうナンセンスな時代ではないかといいたい。

 住宅メーカーでは、キッチン、洗面化粧台、ユニットバスなど設備機器の標準品を決定するときに、一般の女性ユーザー(主婦)にモニターとして参加してもらい、その意見を商品化の目安にしているとの話をよく聞く。

 そこでよくある意見のひとつだが、キッチンの好みを例に上げると、若い女性(20歳代)は、すっきりしたシンプルなデザインや明るい色のカラー扉を好むが、40歳以上の女性になると少し装飾的なデザインで落ちついた色味(少しダーク系)の木目柄の扉を選ぶ傾向が強くなる。ただ、どの世代でも見た目ではカラー扉より木目柄の扉の方が高価に見える傾向はあり「システムキッチンは木目柄」といった根強い人気があるのも事実だ。営業マンも単純な発想で、値段が同じなら高価に見え、木目柄の方があきがこないとすすめると、ユーザーもついついその言葉につられてしまうことも・・・。

 ところが、このような調査を男性にしているかといえばおそらく「NO」ではないだろうか。男性ファッション誌にも家具やインテリアについての特集が組まれる時代。男性が家事や料理に関心を持ちキッチンに立つのもおかしくない昨今、水廻りやインテリアの設備機器にもこだわりを持っている男性も少なからずいるはずなのである。

 住宅関連業界の営業マンの中には「インテリアコーディネーターは女性」というような考えも根強く残っているようだが、これも住宅業界の不思議のひとつであり、男性でも優秀なインテリアコーディネーターやプランナーが多く活躍しているということもエンドユーザーには知っておいていただきたい。

 とにかく、購入者の年齢や性別で商品や内容を決め付けるのではなく、いかにこれからのニーズに応えた提案をしていくかが重要であることを、認識し直さなければならないのではないかと思う。


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