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No.145 変わることのない道路優先の住宅地開発 (4/4,2003) 美里学
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あるディベロッパーで住宅地開発を担当している知人が、300戸程度の住宅地開発の協議に関わったときの話しである。
協議相手は地元行政と住宅供給公社。バブル以前に購入した土地の開発協議に10年以上もかかり、ほぼ土地利用の内容が決定していよいよ住宅事業の検討という段階での話しなのだが、その時代遅れの計画内容に驚いたとのこと。
住宅地の開発手法も行政によっては、より良い住環境のための道路計画や小広場(コモン)を取入れるような計画手法も取られるようになりつつある中で、先ず道路ありきの住宅地開発が行政主導のもとで計画の大筋が決定していたのだそうだ。
そもそも計画の最終決定を行政のトップが「この当りに道路をつけて欲しい!」という安易な考えでメイン道路の計画が決まってしまったというから驚きだ。税金を使って莫大な費用をつぎ込み、周辺住民を立退きまでさせているにも関わらず、専門家が見れば何とも意味のない道路計画であり、計画を遂行する住宅供給公社の存在など何の意味があるのだろうかと思った次第である。
また、住宅供給公社は「これからの街づくりには高齢者や子供にもやさしい街となるように様々な工夫や取組が必要」といいながらも、新しい提案には過去に事例がないことを理由に実施を拒む行政には成すすべもないのである。行政もよい街をつくるための新しい取組に対して、事例がないから受入れられないという態度はこれからの時代怠慢そのものといえるのではないだろうか。
今回のケースも、保守的に事業を行おうとする住宅供給公社、地域住民の声よりも事業を優先させようとする行政のトップ、前向きに取組まない管理主義の行政の担当者、早く仕事を請負いたいディベロッパー、と何ら変わることない官民馴合いの開発行為が行われようとしている。
ニュースの世論調査でも、国民の8割は新たな道路を必要としないという結果が報告されていた。また、今以上に新たな団地開発や新規着工による住宅ストックが必要なのかという議論もある。何も道路を造るなというわけではないが、道路ありきではなく歩行者や弱者に対しても配慮すると同時により良い住環境の供給まで考えた道路計画に真面目に取組むべきだといいたいのである。
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