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No.153 売上げ重視が招いた住宅メーカーの悩み (7/25,2003) 美里学
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某大手プレハブ住宅メーカーの商品開発に関わっている知人が、新たに開発する中高級商品の開発にあたって行き詰まっているというのだが、話を聞いて「なるほど!」と納得させられた。
彼の勤務する住宅メーカーでは、バブル景気の崩壊後、高額商品の契約の落ち込みが進んだため、普及商品や最近目に付く低価格住宅の商品化に力を入れてきたそうだ。しかし、その結果普及商品群の充実により売上げは何とか維持できてきたものの、利益率は悪くなるばかりか、高額物件で他メーカーと競合した際にはことごとく敗れるはめになったというのだ。
他社との競合に敗れることにはある程度予測はつけていたようなのだが、問題は別のところにあったというのである。ほんの数年だが、高額商品の開発を手抜きしたばかりに開発部門をはじめ設計、工事、営業、工場の関係部門に従来なら可能だった対応力が低下してしまったというのである。例えば、
- 開発部門においてはどんな商品を採用すればよいのか解らない。
- 設計においてはインテリアやエクステリアの提案力の低下。
- 工事においては別注工事に対応できる施工業者の減少。
- 営業においては顧客情報が無くなり接客対応能力も低下。
- 工場においては対応できる生産ラインの縮小。
といった様々な影響がでていたというのだ。
たった数年間、高額商品の事業展開から離れていた事に加え、景気が悪い事を理由にした社員のリストラや生産ラインの合理化を実施したことにより、このような影響がでてきたということなのだが、本来の住まいづくりのあり方を考えるなら、例え大量生産型の低価格住宅であっても、インテリアからエクステリアまでの総合提案が絶対条件として顧客のニーズに応えていかなければならないことはいうまでもないことなのである。
また、高額物件だからといっていくら仕様グレードの高い商品をつくったとしても、設計力や提案力がなければ決してよい住まいを提供できるものではない。
最近になってまた中高級商品やデザイナーズ住宅の開発に各社力を入れ始めている。ただ、住まいとは家族構成や生活スタイルによって色々変化していくものであり、安易に住宅メーカーが用意した商品で満足できるかといえばそう単純なものではない。
現状では、住まいを供給する住宅メーカーが顧客ニーズに応えようとすることよりも、安易な合理化や利益追求が優先されているだけに、顧客の判断力と決断はますます重要になるといえるのではないだろうか。
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