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No.156 お金をかけたらよい住まいなのか (9/21,2003) 美里学
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某住宅メーカーで家を建てた知人に「こんな冊子があるんですよ。」と、その住宅メーカーがお客様向けに発行している冊子をみせてもらった。
その冊子は、住まいづくりのポイントやメンテナンス等についても結構親切に解説してあり、お客様向けとしてはよい資料ではある。ただ、知人が言いたかった事はその中で毎回取上げられている施工事例についてで、何冊か見せてもらっている間に知人が持った違和感についてその理由が分かってきた。
その冊子に取上げられている施工事例の多くは、注文住宅でやたらと大きいが、インテリアや外構のセンスは全然よくないのである。確かに知人の建てた住まいは分譲地のどこにでもあるような規模の建物だが、インテリアやエクステリアのセンスもよく、総合的には紹介事例よりもよくできている。
施工事例の紹介と考えると、大きい住まいや豪華な建物と考えてしまうのも分からないではないが、ただ大きいだけでセンスのない物件をお客様向けの冊子に紹介したところで、普通の規模の家を建てているお客さんにとっては決して気分のよいものではないのは当然のことだと感じる。
ところで、住宅メーカーもここ数年は、1次取得者向けの低価格商品に力をいれていたのだが、低価格商品での展開だけでは売上や利益面ではメリットがでてこないため、最近では建替え向けの中高級物件の商品開発や受注に力を入れはじめている。
単に大きいだけや、高級な建材を使用しているもののセンスの悪い建物がまだまだ多いのが現状なのであるが、問題なのはこのような物件に限って施主の意見が非常に強いということ。「お客様は神様です。」ではないが、お金を持っている施主に対して住宅メーカーの営業マンは非常に弱いといわれている。おそらくその結果が顧客のニーズは満たしているものの「大きく豪華だけのセンスの悪い住まい」を形成してしまっているのではなかろうか。
最近、知人の住まいのように特別な個性はないが、基本に忠実につくられている住まいが少なくなってきているように感じるのは私だけではないだろう。高額物件の受注ができれば営業マンの成績は上がるかもしれないが、営業マンも総合的に見てセンスのよい建物を供給していくこだわりを持っていないと住宅メーカーとしてのイメージアップには決してつながらないだろう。
逆に、顧客としてはインテリアやエクステリアといった住まいを装飾する工事にも関心を持ち、単に建物だけにお金をかけても総合的によい住まいはできないと認識し、顧客自身もセンスを磨くべきといえるのである。
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