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No.162 普通に住める家  (12/12,2003)  美里学

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 住まいを建てようと考えている方はインターネットや書籍を用いて色んなことを調べていることだろう。そんな方に、住まいの設計を自分でしたくなるような1冊を紹介しておこう。(来年住まいづくりの予定のある方は正月休みにでもお読み下さい)

 以前、新聞でも紹介されていたが、中村好文著「普段着の住宅術」(王国社1800円)は構造や計画手法、建築哲学を語ったような本ではなく、普通の人が普通に住む家に工夫をこらす楽しさを教えてくれる本である。

 当然のことながら中村氏自身は建築家、特に住宅を専門にされているのだが、建築として語るよりも「ディテールにこだわる家具屋」という表現の方がぴったりくる建築家かもしれない。しかし、数年前に亡くなられた建築家宮脇檀氏(住宅設計のバイブルとも言われている「宮脇檀の住宅」(丸善)の著者)の後継者ともいわれている優れた建築家でもある。

 小さい事にもこだわる中村氏だが、この本を出版したからといって「自分に任せろ!」というような考えではなく施主と一緒に住まいづくりを楽しもう的発想であるところが素人の方にも読みやすい本と新聞でもコメントされていた。

 ところで、最近の住宅メーカーの広告やカタログ等に記載されている住宅の間取りを見て感じることだが、「どこにどのように家具を配置するのだろう?」と考えてしまうプランが結構多い。別の言い方をすれば、購入予定者が自分で家具配置を考えるか、入居後に実際に家具を入れてみないと使い勝手も分からないような提案。要するに、部屋数や目新しい間取りばかりがアピールされているが、きちんと家具配置まで考慮した間取りの提案が行われていない物件が非常に多いといえる。

 中にはきちんと予想家具配置がされているケースもあるが、設計士も購入者もインテリアや家具配置の重要性を今一度考え直す必要があるのではないかと思う。

 さて、中村氏が考える「普通の家に普通の工夫」という考えはやはり住まいづくりの基本だと思う。自分のポリシーは・・・と主張したがる設計士、こんな家を・・・と主張を曲げない購入者。そして両者が我を張りすぎたら・・・。

 昔好きだった料理やファッションも時間の経過と共に好みも変わってきたということは誰しも経験していると思うが、同様に購入段階では気に入っていた間取りも数年後には満足できなくなるということはよくあることである。「普通の家は面白味がない!」という若い住宅購入者は多いが、「普通の人が普通に住める家が最高の住まい」になることを再認識するべきではないかと思うこのごろである。


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