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No.165 屋上緑化〜都市は緑に飢えているを読んで(その二) (1/23,2004) 可部篤
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・屋上緑化は環境保全にはなりません…その3…ヒートアイランド現象抑制に効くのか
ヒートアイランドと言う言葉がもてはやされている。このような気象現象はなかなか解明が難しいのであるが、研究の途中の一部分をつまみ出して「これが効く」とはやし立てるマスコミが多い。ヒートアイランド現象が練馬の集中豪雨の原因であるとの仮説があるが、屋上緑化したらヒートアイランド現象がどれだけ抑制され実害がどれほど減るのかといった研究は全くないのが実情である。
平成11年12月、東京都は「東京都環境科学研究所のシミュレーション結果を引用し、その対策としてビル緑化は極めて有効である」と発表している。しかし、そのシミュレーションは、「公園面積が2倍になり、建物用地の面積の7%が新たに樹林となった」と仮定すれば、「日最高気温の低減効果は区部北西部で最大0.37℃の低下する」という結論である。
しかも、平成14年度の識者の外部評価を受けた際(2001年10月)、当研究所は「厳しいご指摘もあり、この研究は行政とも連携しながら、再構築していきます」と答えているものなのである。この再構築すべき研究の結論が一人歩きして「義務化」の根拠にまでなっているのである。
新宿のビル街の航空測量から、水平面の21%が緑被されそのうち屋上緑化された面積はまだ0.27%だと算出されている。21%の緑地を26%に5%増やす費用と、屋上緑化を0.27%から5.27%に共に5%増やす費用を比べてみたことがあるのだろうか?屋上緑化は4万円/(平方メートル)は掛かるのである。
東京都は2500ヘクタールの屋上緑化を10年間で増やそうとしているが、その合計投資額はほぼ1兆円になる。効果が全く検証されていない物に1兆円をかけることが果たして意味のあることであろうか?ある研究は堀などの水面を増やせばもっと安くヒートアイランド現象抑制ができると言い、屋上でなくとも駐車場など地盤面で緑化できる余地はまだまだ大きいと言う指摘もある。
ヒートアイランド現象で死亡した人はおそらく居ないであろう。交通事故に比べれば大した問題ではない。1兆円も掛ければ必ず金持ち東京都の贅沢だと言われるに決まっている。その1/100でも地方の森林破壊防止に使う方が、どれだけ効果的か分からない。
・屋上緑化は環境保全にはなりません…その4…目を覚ませ!環境保全に便乗した逆活動を駆逐しよう!
景気浮揚策で屋上緑化を義務化し、それを「新規需要の創造」だと言う。「いろんな効果があるからやるので」とも言う。このような言葉は「モノの役にも立たないことをカモフラージュする場合に使われる」のが通例である。子供が個室を欲しい場合に勉強部屋が欲しいと言うのと同じの、コジツケ正当化論法である。
公共事業という名のもとに新規需要の創造でこの15年やってきたが、その効果は財政の悪化を招き、モノの役に立たない構築物が国中にあふれた。今度は環境保護という名のもとに新規需要を創造すると言う。同じ路線である。
たった1/4の先進国人が地球規模の環境破壊を起こしたと言われている。森林破壊も元を質せば先進国に大きな責任があることがわかる。先進国の贅沢が環境破壊を起こしたのであるから、これから発展しようとしている国の贅沢を止める理由は見あたらない。今後ますます地球規模の環境は悪くなって行くと思われる。今日本に必要な貢献は、大金を掛けて誰も見ないような屋上の緑を増やすことではなく、発展途上国に応用できる「環境破壊防止技術の普及」と、自らが、「慎ましく暮らす生活習慣を身につける」ことである。
==筆者紹介=====================================================
緑化コンサルタント、62歳、男、神奈川県在住。
http://club.pep.ne.jp/~kabeastu/index.html
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