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No.168 若い施主のニーズ −2  (2/20,2004)  美里学

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  つい最近の新聞に「団塊ジュニアは南欧風がお好き」という記事が掲載されていた。

 個性を重視する団塊ジュニア世代(昭和45−49年生まれ前後)には明るい色調の南欧風のデザインが売れ筋だと記事には記載されているのであるが、本当に正しい表現といえるだろうか?

 南欧風が人気だというが、一方ではシンプルモダンやモダン和風を好む若者も増えている。ちょっと明るいパステルカラーの手塗風の外壁を用いたり、素焼き風の瓦を葺き、テラコッタ調のタイルをエクステリアに用いただけで何となく南欧風のイメージを感じるだけのことで、デザイン的には決して優れているといえるわけではない。

 また、「団塊ジュニアは南欧風がお好き」という表現だが、本当に団塊ジュニアが南欧風の住まいにばかりに住んでいるのであれば「団塊ジュニアは個性が無い」ということにもなる。個性を他と区別できる固有の特性と考えるなら、南欧風の街並にしてもシンプルモダンの街並にしてもその中に団塊ジュニアばかりが住んでいるような状況では逆に個性を重視しているとはいえないのではないだろうか。よい表現ではないかもしれないが、南欧風の街中にあるモダン和風の家の方がよっぽど個性的といえるのかも・・・。

 ところで、プレハブ住宅のような工業化住宅がない昔の住まいは地場の大工さんが造っていたため似たような家が軒を連ね無意識のうちにも街並が形成されていた。しかし、多くの住宅メーカーが住宅を商品として大量生産するようになり、街並形成が崩れ始めたといっても過言ではない。そんな街並はまとまりが無く個性も無いのは当然のことだが、だからといって供給側がなんとなく南欧風に見える街並をつくってよく売れたからといってそれを若者の個性と結び付けるのにはちょっと無理があるのではないだろうか。

 おそらく、南欧風であれシンプルモダンであれモダン和風であれきちんと街並を考えインテリアやエクステリアにも配慮した住まいを供給すれば、よほどの販売価格の違いでもない限りわざわざ景観の悪い環境の物件を選ぶ理由はない。要するに、街づくりとしてきちんとしたコンセプトを持ってつくられた住環境であれば南欧風でなくても売れると言いたいのである。

 「マスコミの影響力は絶大!」というのは某大手住宅メーカーに勤める友人の話しではあるが、たまたまこの新聞記事を見た役員から「すぐに南欧風の住宅を供給できるようにしろ!」という指示があったという。ここに、また勘違いした住宅メーカーがあちらこちらで南欧風もどきの街並を展開するのかと思うとぞっとするのだが、もし、それをよいと思って購入するのであれば数年後には「流行遅れ」になる可能性もあるということをエンドユーザーにはよく認識しておいていただきたいのである。


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