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No.174 南欧風住宅のその後  (5/28,2004) 美里学

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 No.168の住まいにひとことで若い施主のニーズについて記載したが、そこで紹介した「団塊ジュニアは南欧風がお好き」という新聞記事に対して大手住宅メーカーが取り組んでいた「南欧の邸宅」とやらが3月の中頃に新聞に紹介されていた。 メーカーのホームページでも既に掲載されているが、「素焼き風の瓦屋根」、「木調玄関ドア」、「ロートアイアン調の美しい壁飾」、「理想の南欧邸宅」という言葉でこの住宅商品を紹介している。

 しかし、イメージ写真(おそらくCG 処理による画像だろう)を見る限り「○○風」や「○○調」では「南欧風住宅」であっても住宅メーカーがうたっているような「理想の南欧邸宅」とは程遠い感じなのである。やはり、本物の素焼き瓦や木製ドア、本物のロートアイアンを使わなければ、「理想の工業化住宅」であっても「理想の邸宅」とはいえないと思った。

 それに、この商品「今春の期間限定商品(3月1日〜5月31日)」というのだが、期間限定商品の住まいが果たして「邸宅」といえるのだろうか? 特に、プレハブ系の住宅メーカーではシルエットやプランを限定したローコスト商品を期間限定として販売することは過去にもあったが、邸宅イメージの商品を期間限定にするような話しはあまり聞いたことがない。

 ところで、気になったので「邸宅」を広辞苑で調べてみると「大きな家」、「屋敷」とある。そもそも、このメーカーが南欧風の住まいの開発を行うきっかけというのは「団塊ジュニアは南欧風がお好き」という年始の新聞記事と聞いていたのだが、いつどこで団塊ジュニア向け商品から「邸宅」というイメージの商品に置き換わってしまったのだろうか?

 この商品の開発に関わった知人も「団塊ジュニア向けというコンセプトはどこにいってしまったのか・・・?」というのであるが、確かに外観だけは若者にも好まれる何となく南欧風なのかもしれない。しかし、インテリア(内装や設備機器等)には南欧風の仕様が用意されているわけではないし、エクステリアに関しても南欧風にマッチする提案を行なう様指示されていたわけではないらしい。

 この商品の売れ行きはあまりよくないと聞いたが、団塊ジュニアであろうが、団塊世代であろうが、こだわりを持っている人にとって建物の外観だけが南欧風イメージであればごまかせるという時代ではない。ちなみに、このメーカー今度はシンプルモダンの住宅商品を発売させるということらしいが、住宅メーカーというところは器のことは考えても、中身についてはまだまだ意識が低い様である。


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