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No.182 家づくりにコツはあるのか? (10/1,2004) 美里学
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書籍やインターネットの情報でも家づくりに関する読み物は多い。先日もある新聞で「家づくりのコツ」として土地選びについて紹介されていた。一文を紹介すると、
土地の形や性質が家の善しあしに影響する。道路が北にある場合は水周りをまとめて玄関近くに配置することが多くなり廊下が少なくて済む分、部屋にゆとりができる。建物の奥に庭がくるため、表から見えないプライバシー重視の空間になる。南側に道路がある場合は逆で、大きな窓が玄関側にくるため、立派な外観をつくりやすく、空間は開放的になる。・・・「間取りの北側、外観の南側。」「プライバシー重視の北側、開放的でオープンな南側」・・・以下省略
と記載されていた。
確かに、ここで紹介されていることは一般論としては正しいことでもあるが、この内容を遵守することが必ずしも正しい選択かといえばそうとは言い切れない。
例えば北側のプランでは、1階の廊下が少なくてすむので部屋を広く計画しやすいが、「表から見えないプライバシー重視の空間になる。」とは言い切れない。北側に道路がある土地の多くは南側に敷地が隣接しており、その南側の家の窓からは北側のプライバシーゾーンが丸見えになってしまう。HABITATのQ&Aやエクステリア相談のコーナーでも「隣地から覗かれている」、「隣地の視線が気になる」という相談は後を絶たないのが現状である。
また、「南側に道路がある場合は立派な外観をつくりやすい・・・」という表現だけでは逆に「北側に道路がある場合には立派な外観がつくりにくい」と受け止められてしまう。しかし、実際には北側に道路がある場合にも立派な外観の家をつくることはできるし南側に道路がある場合も建物の外観を意識しなければ立派な家はできない。
住まいづくりに関する書物や情報は多いが、それらが自分の家を建てる敷地の条件に合うのかどうかは素人で簡単に判断できるものではないといえる。仮に同じような条件の敷地があったとしても、隣地に同じような条件の家が建っていることはないし、まして同じような隣人が住んでいるはずもない。
色んな情報を多く集めることは施主としても大切なことだが、書籍等で得た「家づくりのコツ」だけで思い込み決断することは非常に危険な行為であることをよく認識しておいていただきたい。
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