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No.192 『医』・食・住 (2/26,2005) 美里学
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「衣・食・住」この言葉はいつ頃だれが考案したのだろうか。
戦後の高度成長時代の日本には「衣・食・住」を満足できるようにすることが、
必要であったかもしれないが、最低限の水準は満足され、今日では少子高齢化社
会の問題、女性の社会進出、環境ホルモンなど表面的な問題から、生活の中身の
問題に移行してきている。
人が暮らしていく上においては確かに「衣・食・住」は必要なことなのだが、
最近取り上げられている問題をみると、何らかの形で健康に関係してのものが多
く、「衣・食・住」というよりも「『医』・食・住」と考え直す方が、いい時代
になってきているのではないかと思う。
書店に行くと「衣」=「ファッション」や、「食」=「グルメ&ヘルシー」に
関する雑誌や情報は、性別や年齢別、ジャンルや地域別など膨大な資料が出回っ
ているし、インターネットでも情報提供や商品の販売が活発に行われている。最
近の「食」においては、単純に満腹感を得るだけではなく、味に加え、健康が取
り上げられているのが、大きな変化でもある。
これらは「きれい」「かっこいい」「おいしい」「太った」「やせたい」のよ
うに、誰もが見聞きして直接的に判断できるようなことが多いからなのだろう。
それに比べ「住」=「住環境」の場合には、そう言った直接的に感じることが
できないことに加え、短期間に目に見えて、その影響が判断できないということ
もある。また、「衣・食」に比べ若者が関心を持つわけではないし、成年でもだ
れでも簡単に手に入れられるものでもない。「衣」や「食」よりも関心が低くな
るのも、分からないわけではない。
しかし、よく考えると「住」は暮らしの原点であり、「住」があっての「衣・
食」であり、「衣・食」以上の情報提供や商品の販売が、活発且つ良心的に行わ
れる必要があると思う。
今後は「医」=予防、「食」=健康、「住」=コミュニティーの時代だと思う。
それだけに、住まいを提案する設計者が不勉強ではいけないし、ユーザーも供給
側に任せっきりではいけない。医療でも、医者に任せきりではなく、患者の希望
や判断によって、治療が行われることも多くなってきている。建築家が建物だけ
に目を向けていてよい時代でもないのだろう。
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