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No.208 他支店がライバルになるという住宅メーカーの現状   (10/21,2005) 美里学

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 某大手住宅メーカーで設計をしている知人の悩みを紹介しよう。彼が受け持つ支店の販売エリア境界付近における分譲物件の実施設計の際、隣接する支店と共同で事業を行うことになったというのだが、お互いの支店の考えがまとまらず、細かい調整が行われないまま、それぞれが分譲住宅(建売り)を販売することになったというのだ。

 ここで問題だったのが、コストや計画、仕様の調整が、同じ住宅メーカー内で相互に調整が行われていなかったということ。設計である知人は、少しでも良いものを供給したいという考えから、両支店の営業責任者への調整を要望していたそうだが、お互いに手の内を明かそうとしないため、結局詳細の調整はあきらめざるを得なかったというのである。販売はまだ数ヶ月先だということだが、ひとつの事業の中で、このような形で販売が行われるとどういうことになるだろうか。
考えられることは、

・住宅の規模が異なる
・住宅の仕様が異なる
・外構が異なる
・同じ建物(商品)でも販売価格が異なる(支店によっても利益計画が異なっている)
・アフターサービスの対応が異なる(支店の人的体制が異なっている)

 等、購入者を悩ませることが多々生じるだろう・・・という。

 しかしながら、お互いに手の内を明かそうとしないのは、それぞれの物件を少しでも早く客を付けて売りたいという証拠。そこからは企業として良い住まいを供給しようという姿勢が全くみえないのだが、ここに全国展開している住宅メーカーの本質を見ることができるのではないかと思う。

 企業としては、購入者のことを考えているかのようなCMや広告を出しているが、末端の支店レベルの営業担当者は、商品である建物を売ることしか考えていないのだろう。そして、企業としてのイメージよりも、自分の営業成績のことしか考えていないことが、この話しからはよくわかる。

 さて、このような物件ばかりではないと思うが、住まいに関しての営業活動というのは、きちんとエリアを線引きされるわけではないと思う。それは、今住んでいる住まいの近くの支店と打ち合わせを行い、実際に建てるエリアが他支店のエリア内にあるというようなケース。

 全国展開している住宅メーカーであっても、値段や提案力、アフターサービスの対応等、支店ごとに対応が異っているという話はよく聞くが、大手メーカーであれ、顧客に対する配慮がまだまだ不足していると感じた。


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