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No.212 耐震偽装の問題に思う  (12/26,2005) 美里学

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 今年も色んな出来事があったが、建設業に関係している者として「耐震偽装」の問題は驚きと共に「出て来たな・・・」という思いでもある。この問題はひとりの1級建築士が、建築確認申請で提出する構造計算書の偽装を行ったということ以上に、今まで行政や業界が、如何にいい加減な対応をしてきたかということを、問わなければならない社会的な問題だと思う。

 さて、住宅のエクステリアにおいては、一定の高低差を処理する高い擁壁や、高くて長い塀以外には、構造的な行政の指導を受けることはほとんどないと思われる。また、そのような工作物を新築段階で作らないのであれば、外構工事の詳細を特に記載しなくても確認申請が認可されてしまうこともある。

 特に、エクステリアの工事を建物と別途に発注したりすると、このようなことがおこることがあるのだが、構造的な知識のない業者により土留めや塀の工事が行われることが現実問題としてあるということも是非認識しておいていただきたい。

 ところで、エクステリアの工事が別途になった理由として、ユーザーはよく2つのことを口にする。ひとつは、「建物にコストがかかり外構の予算がなくなった。」というケース。もうひとつは、「建設業者が建物しか提案してくれなかった。」というケースだ。何れも建物を建てる建設業者がエクステリアの重要性を認識して、総合的に住まいを提案することができれば、このようなことにはならなかったといえる。

 ただ、施主側も直接外構業者と契約した方が、コストが安いだろうと勘違いして安易に別途にする人もいるが、素人判断でコストが安いだけを理由に別途にすることは、非常に危険な行為であることを認識していただきたい。

 今回の「耐震偽装」の問題においても、マンションの購入前に別の建築士に依頼して、モデルルームや図面のチェックをしてもらっても見抜けなかったことなどが、マスコミでも紹介されているが、1級建築士といえ全ての建築知識にたけているわけではない。構造の専門家がインテリアやエクステリアに詳しいわけではないし、建築デザインの専門家が構造や設備に詳しいわけでもない。

 ではどうすればいいのか・・・答えをだすことは難しいが、住まいづくりというのは一生に1度か2度のこと。あわてて計画を進めるものではなく、じっくり取組んでからこそ納得できる住まいが得られる・・・そんな気がするのである。


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