★HABITAT:feature articles〜特集のページ〜:高価な敷地だから上手に使いたい★

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はじめてのエクステリア&ガーデニング
No.1 高価な敷地だから上手に使いたい (03/25,1999) 美里学
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●エクステリアは「身だしなみ」

 建築大事典によると「外構」=「エクステリア」は建物の外部空間をしつらえること、と記されています。つまり人で言うなら服装や身だしなみのことになります。

 家を建てる場合、建物そのものや、間取り、インテリアには時間を掛け打ち合わせを繰り返す。しかし、外まわり、になると予算も少なくなり別契約になったり、打ち合わせも手を抜きがちになります。

 しかし、先にも述べたように、「身だしなみ」にもなるエクステリアがそのような取り扱いでいいのでしょうか。この、計画概論では、エクステリアの重要性と基本となる考え方を、皆さんに知っていただけるよう分かりやすく解説していきたいと思います。


●いつも敷地いっぱいには建てられない

 敷地と家の関係は建築基準法に定められていますが、地域によって異なります。詳しく話すと長くなるのですが、重要なのは「いつも敷地いっぱいには建てられるわけじゃない」という点です。つまり、敷地の面積に対して建てることのできる家の建築面積や延床面積に制限があるのです(用途地域により建ぺい率や容積率などが定められています)。

 例えば、敷地いっぱいに建物を建てられる地域もあれば、敷地面積の6割分しか建てられない地域もあります。このような地域で住宅を考える場合は、建物を除く敷地部分(外まわり=「エクステリア」)も有効に活用することが計画の重要なポイントとなります。

 用途地域:市街地の環境を維持増進するため、都市計画法、建築基準法により建築物の用途制限や形態制限等が行われる地域。

 建ぺい率:建築物の建築面積の敷地面積に対する割合。
      建ぺい率(%)=建築面積÷敷地面積×100

 容積率 :建築物の延床面積の敷地面積に対する割合。
      建ぺい率(%)=延床面積÷敷地面積×100

 狭い日本の高額な敷地のことを考えると、外まわりのスペースについても初期の設計段階でしっかり考えるべきです。「生活の場は、家の中だけではなく外にもある」ということを建築主も建設者も認識した上で、資金計画や間取りの計画をしなければなりません。


●生活、機能そして景観を楽しむ

 さて、屋外スペースには、その大小は別にし考えると、(1)生活を楽しむスペース、(2)機能を充実するスペース、(3)景観に配慮スペース、の3つがあげられます。

 (1)生活を楽しむスペースとは、庭でバーベキューをしたり、ガーデニング等余暇や趣味を楽しむための庭で、住宅では「主庭」と呼ばれています。

 (2)機能を充実するスペースとは、洗濯物を干したり、空き瓶やゴミ箱を置いたり日常生活においてほぼ毎日欠かせなく使われるスペースのことで「サービスヤード」と呼ばれています。計画段階では意外と見落とされがちですが、入居後その必要性が認識されるスペースなので事前に計画しておくことが必要です。

 (3)景観に配慮するスペースとは、道路境界に面している空間で、街並みに対して花や緑を提供したり威圧感を与えないといった配慮をする部分のことです。これまでは、「自分の敷地内だけが良ければそれでいい。」という考えが普通でしたが、住環境(地域性や風土など)全体を考えると街並みに対しても最低限の配慮が必要となります。
 チェックするポイントは、塀の高さや、使われる部材の質感や色、あるいは、どの ように植栽するかなどがあげられますが、トータルなプランが必要です。設計業者さんや施工業者さんとよく相談する必要があります。

 

敷地の外に向けても気を配ろう!

押さえておきたいポイント

■家づくりは空間の提案

 とにかく高価な日本の土地と住宅。ですから、もし購入できたのなら、隅々まで有効に活用したいものです。

 住宅メーカーは基本的には家が売れれば良いわけですが、良い営業マンや建築士は建物のことだけではなく総合的な提案をするものです。つまり平面的な確認だけではなく空間全体を提案します。例えば「このすき間をどう利用しようか」など。

 ちょっとした空間でもそれを利用するプランニングの提案があるかないか、チェックしておきたいところです。

■インテリアほど熱心でないエクステリア…どうして?

 普通、家を建てるほとんどの人は、住宅メーカーや工務店と話を進めることでしょう。その中で、間取りやインテリアについては時間をかけ何回も話し合いを行うでしょうが、エクステリアについては最後になったり、施工する業者まかせになったりはしていませんか。

 もしそうだとしたら、アプローチ階段が良い具合に納まらなかったり、屋外での作業スペースが不十分だったりする事は十分に考えられます。

 住宅メーカーや工務店がエクステリアの工事を受注したがらない理由があります。それは、「建物だけの契約のほうが早く手離れができる」ということです。そして、施工業者にとっても「設計者との調整がなく自分の思い通りに施工ができる」というそれぞれのメリットがあるからです。そしてこれは、施主、つまりあなたのメリットでないことは確かです。

 特に、アフターサービスの悪い住宅メーカーや工務店ほど、エクステリアの工事を業者任せにしようとするので注意してください。

■建物も「見た目」で判断されている

 人を見た目で判断しては行けないとよくいわれますが、ついつい外観で判断しがちなものです。これと同じ事で、家を建てるときにも、エクステリアの計画をいいかげんに考えないことです。

 例えば、自然の豊かな郊外の住宅地なら、最近流行のガーデニングを取り入れたオープンな外構スタイルが似合いますが、ブロックで囲った閉鎖的で無機質なクローズドな外構スタイルは似合いません。反対に、田園調布などの高級住宅地では、オープンすぎるより適度な高さの塀や門構えが似合います。

 このように、周辺環境にも応じたエクステリアも考える必要があります。どれだけりっぱな建物を建てても、エクステリアの予算をけっちったり、また計画がいいかげんであれば、外観はそれなりにしかみえません。何事もバランスが大切です。

■庭を見る視点〜発想を変えてみよう

 外部空間にもさまざまな役割があるのですが、それは必ずしも家の外から見るためのものではありません。“家の中から見て楽しむ”という楽しみ方もあります。

 家の中から見る場合……例えば、リビング前の庭では、ソファーの位置などを考慮に入れ庭木や花壇の位置を考えます。そして、和室前の庭では畳に座った状態での見え方を考えます。つまり、家の中に居る人の目の位置を考えるということです。

 家の外から見る場合……道路からの視線には気をくばります。基本的には人の目の高さが基準になりますが、自転車や物置など見難い物は隠し、植栽や花などきれいな物は積極的に見てもらうような提案をします。これらは、道路の巾や宅地の高低差などにより計画が変わるので、専門家の意見を聞くことをお勧めします。

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